グラフィックの美学: 2024シーズンのボードグラフィックを彩るアーティストたち
アメリカの古い格言に次のようなものがあります。「表紙で本を判断してはいけない」。しかし、私たちは知っています。素晴らしい表紙で、なおかつ中身も実に質の高い本や雑誌の存在を! そして、それは何も本や雑誌に限ったことではないのです。
さて、ちょっと想像してください。あなたは今、新しいボードを購入しようと考えています。そして、あなたの滑りの弱点を知っている仲間やローカルショップのスタッフに相談したとします。すると、誰もが「このシェイプが……」「このロッカーが……」「このテクノロジーが……」と技術面のサポートをしてくれるボードについての話をするでしょう。「グラフィックでボードを選ばないほうがいい」とさえ言われるかもしれません。ですが、滑りに行けば必ず何度も見ることになる足元のボードグラフィックを完全に無視してもいいのでしょうか。
Burtonでは、様々なスノーボーダーのニーズに寄り添った最高のパフォーマンスを発揮するボードづくりに注力してきました。それと同時に、より魅力的なボードグラフィックのために、これまで様々なアーティストとのコラボレーションに多大な時間と努力を費やしてきました。そして今シーズン、私たちはBurtonファミリーの一員とも言えるアーティストたちやライダーたちとタッグを組み、グラフィックとパフォーマンスを両立するボードを作り上げました。ここでは、そうして誕生したボードを紹介していきます。
Good Company by リチャード・ヴェルゲス
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キューバ系アメリカ人のリチャード・ヴェルゲスは、紙とミクストメディアによる奇抜なコラージュをハンドメイドで制作するアーティストです。彼のアートを目にすると、「ちょっと自分を変えてみよう」「少し奇妙な物も受け入れてみよう」「常識の外に出てみよう」と勇気づけられることでしょう。それは、まさにGood Companyにピッタリなグラフィックです。リゾートライドはもちろん、パークやストリートなど、ありとあらゆる場所で注目を集めるためのフリースタイルボードが完成したのです。
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ここで言うアイデアとは、自分の身体を広大な領域へと拡張すること。ライダーはスノーボードで、私はアートでそれを行なう。私はアナログとデジタルを組み合わせて使用し、まずコラージュする素材を切り取ることから始めた。それから自分が納得するまで、手でそれぞれのピースを動かしていったんだ。顔と足が不自然に伸びたこのグラフィックは、ユーモアがあって、その不合理さを受け入れられるセンスのあるライダーと相性がいいと思うよ
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Blossom by ニールズ・シャック
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Burtonチームライダーのニールズ・シャックは、今シーズンのBlossomのアートで原始と混沌の融合を目指しました。クリーンなトップシートが穏やかで繊細な美しさを引き出す一方、ベースは完全なカオスに支配されています。このコントラストを強調するのに最適だったのが、獰猛でありながらエレガントなワニでした。このグラフィックはボードそのものと同様に、平和と喧騒のありそうでなかったバランスを表現しているのです。
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Blossomに描きたかったのは、地質学的かつ生物学的歴史をもたらす物語の始まりなんだ。原始的な生命と混沌が混在するようなものって言えばいいのかな? その感覚を表現するのに、野蛮でありながらもっともエレガントな生き物、それがまさにワニだったんだ
Deep & Free Thinker by スコット・レンハート
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アーティストのスコット・レンハートと、Burtonチームライダーのダニー・デイビスとの長年にわたるコラボレーションは、Deep ThinkerとFree Thinkerに命を吹き込み続けています。今シーズンのグラフィックは、カーニバルにインスパイアされた奇抜な雰囲気を醸し出す手描きのペイントです。異なるサイズのドットがスノーボードの無限のエネルギーを表現し、同時にジェイク・バートンの肖像画にも似たようなアートになっています。Burtonの長きに渡るレガシーを讃えるかのような印象を受けます。
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今季のDeep ThinkerとFree Thinkerのアートディレクションは、ダニーの家に私が一晩泊まり込んで、彼のボードに直接絵を描いたような即席の手作り感を出したかったんだ。もちろん、一晩で描いたわけではないんだけどね。まるでダニーの家に遊びに行って、ギター片手にセッションしたり、美味しいハムやソーセージなんかを食べたり、そんな雰囲気のなかで描いたんだ
スノーボーダーはボードを通して自分自身を表現しています。だからこそ、Burtonはボードパフォーマンスにおいて、いかなる妥協も許されないことだと考えています。そして、それはボードグラフィックにおいても同じことです。これから数カ月間、あなたの足元にあるデッキと向き合うのであれば、そのグラフィックに興奮を覚えてもらいたいのです。それゆえ、私たちは毎シーズンのように、ボードのグラフィックをどうするかというクリエイティブなプロセスに多大なる時間とエネルギーを費やしているのです。
「表紙で本を判断してはいけない」と説く人もいるでしょう。だけど、スノーボードにおいては表紙もとても重要なのです。これからもBurtonはパフォーマンスとスタイルの両立を目指して突き進んでいきます。